腰痛コラム
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- 2024年11月14日
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今回は、誰でも一度は経験したことがあるであろう腰痛についてです。日本人が訴える痛みの中で最も多い症状です。
なぜなら、私たちの身体を支えている背骨(脊柱)は、首から腰にかけて7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎、仙骨、尾骨が1個1個ブロックのように重なってできています。
1つの骨を椎骨といい、椎骨と椎骨の間には椎間板というクッションの役目を果たす軟骨があります。
人間の脊柱は横から見ると、緩やかなS字カーブになっていて衝撃の吸収をしてくれています。しかし、特に腰椎は前後屈など大きな動きをしなければいけませんし、実は捻りには弱い構造になっているため、負担が掛かりやすく、故障も多いと言えます。
皆さんが聞いたことがあるものでは、ヘルニアや脊柱管狭窄症、分離症などが原因で腰痛が起こると言うことです。今挙げたものは、レントゲンやMRIを撮ってわかるものですが、実は腰痛には非特異性腰痛と言って画像検査では原因が特定できないものの方が多いと言われています。数字に表すと特異性腰痛(原因のわかるもの)が15%、非特異性腰痛(原因のわからないもの)が85%を占めます。
原因がわからない腰痛は、いったいどうして起こるのでしょう。
きっと、さまざまな要因が複合的に影響してるのではないかと考えられます。
・ストレス
ストレスも腰痛の大きな原因として考えられます。
仕事など何らかの精神的なストレスがかかると、自律神経の中の緊張状態を作り出す交感神経の働きが高まり無意識のうちに筋肉が緊張し、腰への負担が高まる。これはもちろん腰だけではありません。肩こりなども同じように起こります。
そして、精神的なものだけでなく、物理的、環境的なものもあります。冬の寒い時期に筋肉が縮こまって起こったり、パソコンや携帯、ゲームなどの画面を長時間見ることで、画面からの光がストレスとなり筋肉の緊張に繋がることもあります。
・普段の姿勢
デスクワークや、家でテレビを見る姿勢、実は座っているときの姿勢は崩れやすく、長時間座ることで筋肉が疲れさらにわるい姿勢になってしまいます。立っているときよりも座っているときの方が1.4倍も腰に負担が掛かると言われています。
ではここで、なぜ立っているときよりも座っているときの方が腰に負担が掛かるのかをご説明いたします。
まず知っておきたいのは、人には常に上からの重力と下からの床反力が加わっています。
立位の場合、上からの力は背骨の生理的湾曲(S字カーブ)が、下からの力は足の関節がクッションの役割をして腰への負担を吸収しています。
しかし、座位になると腰回りの筋肉が働きにくくなり、骨盤が後傾(後ろに倒れる)し、腰椎が後彎(丸く)なりやすくなってしまいます。
これが、いわゆる背中が丸くなる「猫背」といわれる状態です。
この姿勢になると、背中や腰の筋肉が引っ張られて緊張状態が続き、腰椎・骨盤・股関節の動きが悪くなってしまいます。
また、骨盤が後傾(後ろに倒れる)状態では先ほどの生理的湾曲(S字カーブ)が保てずに重力をうまく吸収できない状態になり、より腰に大きな負担を掛けることになります。
今の説明だと、骨盤が後傾して、腰椎が後彎することがいけないことだと誤解されるかもしれませんが、逆に無理に骨盤を前傾(前に倒す)すると過度な腰椎前彎(反り腰)となり、これもまた、腰には大きな負担になります。
こういった理由から、立位よりも座位姿勢の方が、腰に負担が掛かるということです。
それでは、今回お話しした脊柱のS字カーブをうまく出すためのストレッチを1つご紹介しようと思います。
「キャット&ドッグ」
1. 手は肩の下に置き、膝はお尻の下で四つ這いになる
2. 息を吸いながら背骨を反らしていく 胸を張り肩甲骨を寄せていく この時に肘が曲がらないように注意する 骨盤も前傾(前に倒す)ようにする おしりを突き出すようなイメージで
3. 息を吐きながら背骨を丸める 自分のおなかを見るように このときに床を押すようなイメージで行う 骨盤は後傾(後ろに倒す)
この動作をゆっくり大きく10回程度繰り返していきましょう。





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